日本ワインの話題になると、必ずと言って良いほどおすすめの日本ワインを教えてくださいと言われます。
そんな方の為に、今回は私がおすすめする日本ワインを産地や品種のカテゴリーに分けて紹介していきます。
この記事を読むことによって、今よりも日本ワインが10倍楽しめると思いますのでぜひ参考にしてみてください。
目次
日本ワインの基礎知識(注意点)
日本ワインを美味しく楽しむために、まずはどうしても知っておいて欲しい日本ワインの基礎知識をお話しします。
日本で造られているワインには大きく分けて2種類あります。それは、「日本ワイン」と「国産ワイン」です。
一見、何が違うのかよく分からないと思いますが、この2つを分けることは日本ワインのブランドを守る事につながります。
国産ワインとは?
国産ワインとは、海外のぶどうもしくは濃縮果汁を輸入して、日本で造られたワインの事を言います。
例え日本で造られていたとしても、このワインが「日本ワイン」と名乗ることは法律的にできません。
日本ワインとは?
日本ワインとは、日本で育てられたぶどうを100%使用し、日本国内で製造されたワインの事を言います。
日本でこのルールが定められる前は、国産ワインでも日本ワインと名乗られていました。
日本ワインのオリジナリティを守る為に、このルールが法律として定められたのです。
日本ワインと国産ワインの見分け方
ここからは「日本ワイン」と「国産ワイン」を見分ける方法を紹介します。
日本ワインのラベルの表面か裏面に、必ず「日本ワイン」もしくは「Japan wine」の表記があります。
また国産ワインには、「濃縮果汁使用」もしくは「輸入ワイン使用」の表記があります。
パッと見てラベルに都道府県名や地域名、ブドウの品種、製造年が記載されていれば、間違いなく日本ワインです。
おすすめの日本ワイン産地①山梨県
おすすめの日本ワインの産地一つ目は「山梨県」です。日本ワインの生産量が日本で一番多い県ですね。
中でも甲府盆地はぶどうの栽培が盛んで、気候も降雨量が少なく、昼夜の気温差が大きくぶどうの栽培に適しています。
ここで栽培される甲州というブドウ品種を使った白ワインが世界的にも有名で、2014年には世界最大のワインコンクールで山梨の甲州が日本ワイン初の金賞および地域最高賞を受賞しました。
日本ワインを楽しむなら、絶対に外せないワインの産地です。
おすすめの日本ワイン産地②長野県
おすすめの日本ワインの産地二つ目は「長野県」です。長野県も山梨同様に盆地の気候を活かしたぶどう栽培が行われています。
長野県でも特に注目したいのが「桔梗ヶ原ワインバレー」で製造される日本ワインです。
1989、90年に開催された国際ワインコンクールで、桔梗ヶ原のメルローで製造された赤ワインが金賞を連続受賞してから、この地はメルローの産地として注目されるようになりました。
長野のワインを飲むなら桔梗ヶ原のメルローは絶対に外せないワインです。
産地 :長野県塩尻市桔梗ヶ原地区
ぶどう品種:メルロー 100%
価格 :¥12,840
おすすめの日本ワイン産地③北海道
おすすめの日本ワインの産地二つ目は「北海道」です。北海道の面白い所は、土地が広大である為、同じ北海道のワインでもバラエティが豊かな点です。
また、冷涼な気候で造られるスパークリングワインも注目を集めています。
北海道には特有の品種が多く、「ツヴァイゲルト」や「セイベル13053」「山幸」「清見」「ケルナー」「ミュラートゥルガウ」なども積極的に栽培されています。
有名なピノノワールとシャルドネの栽培面積も増え続けているので注目したいところです。
おすすめの日本ワイン産地④山形県
おすすめの日本ワインの産地四つ目は「山形県」です。山形県は一般家庭でも馴染みのあるデラウェアの栽培面積が全国で一番の県です。
実はデラウェアからもワインが造られており、個性的な日本ワインが沢山あります。
最近では、シャルドネ栽培が盛んに行われ、山形から上質な白ワインが誕生しています。
山形県はワイン製造の歴史は他の都道府県に比べてまだ浅いですが、ぶどう栽培の気候に非常に適している為、山形県の日本ワインは今から目が離せませんね!
意外と知らないおすすめの日本ワイン産地
上で説明した四つの都道府県は日本のワイン産地としてとても有名ですが、それ以外にも美味しいワインを造る産地はたくさんあります。
今回紹介するのは「広島県」です。広島県にある三次ワイナリーが造る「TOMOE」という日本ワインです。
標高350mの山間部を切り開いた場所でぶどうを育てるため、日照量が豊富でぶどうがよく熟します。また盆地の気候が昼夜の寒暖差を生み、ぶどうの栽培にとても適しています。
また、三次ワイナリーの醸造家と造り手の方々がぶどうをよく観察し、日本を代表する非常に繊細なワインに仕上げています。
昔、このワインをお客さんに出した時に、広島県という珍しさと、繊細な味わいの美味しさからお客さんに感動されたのを覚えています。
おすすめ日本ワインのブドウ品種①甲州
ここからはおすすめの日本ワインのぶどう品種を紹介していきます。まずは日本を代表するブドウ品種「甲州」です。やや薄い藤紫色の皮をしていて、このぶどうから白ワインが造られます。
2010年にOIV(国際ぶどう・ぶどう酒機構)のリストに掲載が認められ、「甲州」というラベルのワインを世界に販売できるようになりました。
甲州の特徴は上品さと繊細さです。なので素材の味を活かした和食と合わせると相性は抜群です。
2014年に世界のワインコンクールで金賞を受賞してから、今もまだまだ進化を続けるポテンシャルの高い品種です。
おすすめ日本ワインのブドウ品種②マスカットベーリーA
おすすめの日本ワインのブドウ品種二つ目は「マスカットベーリーA」です。このぶどうから赤ワインが造られます。
甲州に続き2013年にOVI(国際ぶどう・ぶどう酒機構)のリストに掲載が認められ、日本を代表する品種となりました。
1927年に川上善兵衛という方がぶどうを交配し開発した品種で、日本で最も仕込み量が多い赤ワインの品種です。
黒蜜やキャンディの様な甘い香りが特徴で、長期樽熟成するワインも増えてきています。甲州と同じくまだまだ進化を続けているぶどうです。
意外と知らないおすすめ日本ワインのブドウ品種
上で紹介したぶどう2種は世界的に認められた品種ですが、日本にはまだあまりメジャーじゃないけど、個性的で日本特有のブドウ品種があります。
ここからは、これから注目したい日本のおすすめのぶどう品種を紹介していきます。
ナイアガラ
1866年にアメリカのナイアガラで交配され明治時代に日本に伝わってきました。
ワイン用のぶどう品種としては、甲州とマスカットベーリーAの次に多く仕込まれています。
辛口よりも甘口のスティルワインやスパークリングワインが多く、ワインに馴染みのない方や女性にとても人気です。
ナイアガラのワインは北海道の小樽が有名ですので、ナイアガラを飲む際は必ずチェックしましょう。
ヤマ・ソーヴィニヨン
ボルドーで高級な赤ワインが造られるカベルネソーヴィニヨンを、日本で栽培しやすくする為に、野生のヤマブドウと交配し、日本の気候に適応させた品種です。
タンニン(渋み)は穏やかで酸味が豊かになります。ヤマブドウから受け継いだ野性的でスパイシーな香りが特徴的です。
樽熟成することで複雑味が増し、エレガントで魅了的な赤ワインになります。
ジビエ料理と相性がとても良いので、ジビエ料理を楽しむ時はおすすめのワインです。
山幸
主に北海道で栽培されているブドウ品種です。清見という品種と野生のヤマブドウを交配して開発されました。耐寒性に優れている為、北海道の厳冬地でも栽培が可能です。
山幸の特徴は、ヤマブドウから受け継いだ野生的でスパイシーな香りです。
山幸のワインで有名なのは北海道の十勝です。山幸のワインを楽しむなら、ぜひ十勝のワインを試してみてください。
甲斐ノワール
甲斐ノワールは、山梨の果樹試験場で日本の気候に適したブドウ品種を造るために、カベルネソーヴィニヨンと耐病性の高いブラッククイーンを交配させて開発されました。
濃い色調にスパイシーな香りが特徴的で、タンニン(渋み)は程よくあります。少し青っぽさを感じる事があります。
個性的な品種ですので、日本ワインを楽しむならぜひ飲んでみてください。
デラウェア
デラウェアは生食用のぶどうとして馴染みが深いですが、日本ではワイン用としても使われています。
日本では山形県が一番生産量が多く有名です。世界ではアメリカのニューヨーク州でもデラウェアのワインが造られています。
最近では、デラウェアを使ったスパークリングワインが急増しています。
まとめ
今回はソムリエがおすすめする日本ワインの産地とブドウ品種について紹介しました。今一度内容をおさらいしましょう。
日本のワインは大きく分けて2つに分類されます。飲むべきは「国産ワイン」ではなく「日本ワイン」と覚えておきましょう。
- 山梨県
- 長野県
- 北海道
- 山形県
- 甲州
- マスカットベーリーA
日本ワインをこれから楽しみたいのであれば、まずは山梨県の甲州がおすすめです。日本の個性が一番表現されているワインです。
甲州に慣れてきたら、他の産地や品種を試してみると違いがはっきり分かって、日本ワインをより楽しむことができるでしょう。
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