
日本ワインはここ数年で美味しさが増し、おすすめできるワインがたくさん増えました。
日本ワインが美味しくなった理由は、海外の銘醸地で修行した人達がその経験と技術を日本へ持ち帰り、日本の土壌や気候を活かしたワイン造りが加速した事が挙げられます。
美味しいワインが増えたと聞いても、いざ選ぶとなるとどれにしようか迷ってしまいますよね。
そこで今回は「これを選べば間違い無い!」と言える日本ワインをご紹介していきます。
目次
おすすめの日本ワイン:山梨県
アルガブランカ ヴィニャル イセハラ
山梨県笛吹市にある単一畑「伊勢原」の甲州のみを使用し造られる白ワインです。
このワインを造っている勝沼醸造の有賀裕剛さんは、甲州の個性が欠点と考えられていた事に反発を感じ、自らが造るワインで甲州の良さを証明すべく、試行錯誤を繰り返してきました。
そして、甲州にこだわりぬいてできたワインがアルガブランカです。柑橘系の華やかな香りと、酸味と甘みの絶妙なバランスがこのワインをエレガントに仕立てています。
甲州ワインでトップクラスに来ても尚試行錯誤は続いているようで、これからの進化にも目が離せません。
キザンワイン白
山梨県甲府盆地の北東部に位置する塩山で造られる甲州の白ワインです。地域に根ざしたワインをモットーに、家族だけの小さなワイナリーで造られます。
機山洋酒工業株式会社の代表である土屋幸三さんは「地域に支えられ、地域を支えるワイン造りでありたい」とリーズナブルなワインを手掛けていますが、その品質の高さに驚かされます。
自社ホームページ内にあるブログでは、ぶどうの栽培過程の日記を書いていて、大切に育てているのが分かります。天候に恵まれなかったり、病害の発生など色んなトラブルに向き合う姿勢を見ると応援せずにはいられません。
飲んでみると白桃やライチの様な華やかな香りがして、甲府盆地でたっぷりおひさまを浴びているぶどうの姿が目に浮かんできます。
登美 赤
山梨県で大手企業のサントリーが手掛ける日本ワインです。サントリーと言うとワインを造っているイメージがあまりないと思いますが、世界のワインコンクールで何度も受賞するなど、日本を代表するワインを造っています。
サントリーが所有する登美の丘ワイナリーでは、良いぶどうを育てるために土からこだわる力の入れっぷりです。
降雨量が少なく、日照量が豊富で、昼夜の寒暖差大きいという三条件を満たした環境で育ったぶどうは世界にも引けをとりません。
日本の固有品種でもワインを造っていますが、メルローやプティ・ヴェルドなどヨーロッパ系の品種を使用したワインは香り豊かで非常に優れています。
シャトー・メルシャン 城の平 オルトゥス
シャトーメルシャンのワイン造りの歴史は長く、日本でも有名で実力のあるワイナリーの一つです。
城の平ヴィンヤードは山梨県勝沼地区にシャトーメルシャンが所有する自社畑です。城の平では最高のカベルネソーヴィニヨンを収穫する為に1984年から栽培が始まりました。
この地で造られるワインはカベルネソーヴィニヨンとメルローを主体としたフルボディの赤ワインとなります。
国際ワインコンクールで何度も受賞する実力のある赤ワインです。食事はしっかり目のお肉料理と合わせましょう。
ダイヤモンド酒造 シャンテY.A Huit 結ひ
このワインを造っているシャンテワインでは全生産量の半分をマスカットベーリーAが占め、この品種にこだわったワイン造りがされています。
早飲みが多いとされるマスカットベーリーAをオーク樽で24ヶ月熟成させるなど、この品種の常識を覆したワインです。
上質なアロマに、樽由来のふくよかで優しく複雑な香り、よく熟した果実味と滑らかなタンニン、長い余韻で幸せな気持ちに包まれます。
ポテンシャルが高く、飲む前日に抜栓しておくとよりこのワインを楽しめるでしょう。
グレイス 甲州 鳥居平畑 プライベートリザーブ
山梨県勝沼町鳥居平地区はブドウがよく熟す場所で、水捌けの良さや一日の寒暖差が大きく、日照量も豊富で、勝沼の中でも昔から銘醸地と呼ばれています。
太陽と土壌の恵みを存分に受けた甲州で造られるこのワインは、上品で凝縮感のある白ワインに仕上がります。
グレープフルーツやリンゴのアロマに樽由来の落ち着いたバニラの香りがします。凝縮した果実味とはっきりとした酸、心地よい苦味が全体を引き締めバランスよく感じます。
香りがとても豊かですので、あまり冷やしすぎない方が楽しめるでしょう。温度とともに変化していく香りを楽しむのも良いですね。
丸藤葡萄酒 ルバイヤート シャルドネ 旧屋敷収穫
丸藤葡萄酒工業株式会社が山梨県勝沼町のシャルドネで造ったプレミアムワインです。2019年に行われた日本ワインコンクールで金賞を受賞しました。旧屋敷はシャルドネを育てている畑の名前です。
綺麗なイエローの色調に、パイナップルの様な南国のフルーツを思わせる甘みを感じる香りがします。日の光を浴びてよく熟したシャルドネを使った印象です。
バターやナッツの樽熟成の香りが程よく感じられます。樽の香りはしつこくないので、全体的に上品な仕上がりになってます。
凝縮した果実感がありますが、豊かな酸がワイン全体を引き締めていて絶妙なバランスを保っています。
おすすめの日本ワイン:北海道
ドメーヌ・タカヒコ ナナツモリ ピノノワール
このワインは北海道余市町で栽培されたピノノワールで造られた赤ワインです。
このワインを造る曽我さんは、ポンプを使わずバケツや重力でワインを移動させたり、添加物をほとんど使用せず発酵も自然に任せたり、並々ならぬこだわりを持ったワイン造りを行なっています。
クランベリーやイチゴの様な赤いベリー系の香りに、クローブの様なスパイシーな香り、キノコや土の様なニュアンスもあり、北海道の生命溢れる森を連想させるワインです。
山崎ワイナリー ケルナー ドライ
北海道三笠市でケルナーという品種で造られる白ワインです。マツコの知らない世界でワイン漫画「神の雫」の作者がおすすめしていた日本ワインです。
ケルナーは寒冷なドイツで誕生した品種です。寒さに強いため北海道の地で根強い人気を誇っています。
レモンやグレープフルーツの様な柑橘系の香りに、白い花の華やかな香りがします。はっきりとした酸が感じられ、北海道の厳しい寒さを連想させます。
おすすめの日本ワイン:長野県
小布施ワイナリー ドメーヌ ソガ
長野県上高井郡小布施町にある小布施ワイナリーで造られる「ドメーヌソガ」シリーズのワインは、インターネットでは販売せず、正規販売店飲みで取引される貴重なワインです。
強いこだわりを持ったこのワインは、店頭でも中々出会うことができないほど人気です。
日本で初めて有機栽培の認証をもらったワイナリーでもあり、無化学農薬栽培をしながら、醸造では市販の培養酵母や酵母栄養剤、澱下げ剤など一切使用しないなるべく自然に近いワイン造りがされています。
いい意味で、味も考え方もクレイジーなワインです。出会えたら間違いなく買っておきたいワインですね。
株式会社Kidoワイナリー プライベートリザーブ
長野県塩尻にあるkidoワイナリーで造られます。この土地でできる品種の特徴をしっかりと表現させたこのワインも人気すぎて中々手に入れる事ができません。
家族3人と小さなワイナリーですが、ヴィンテージが変わっても安定した品質を保っています。
消費者目線で商品が造られている時代に、自分が飲みたいワインにこだわり造り続けています。そして、そこに人が集まり、今では入手困難なワインになっています。
ネットで高額転売がされていますが、生産者である城戸亜紀人さんはそういった形での入手は望んでいませんのでやめましょう。
おすすめの日本ワイン:山形県
酒井ワイナリー シャルドネ 2017
酒井ワイナリーは創業25年という山形県で一番古い歴史を持つワイナリーです。
除草剤などの化学肥料を使用しない自然栽培を目指すだけでなく、畑の下草を羊に食べさせ、その糞から作った堆肥を畑にまく循環型農業にも取り組んでいます。
今回紹介するのはその畑で栽培されたシャルドネで造られた白ワインです。良く熟した白桃の香りと樽由来のバニラの様な甘いリッチな香りがします。豊かな酸が全体を引き締めバランスの良い仕上がりになっています。
高畠ワイナリー 嘉-yoshi-スパークリング シャルドネ
ワインの銘醸地として有名なアメリカのナパヴァレーと同じ緯度に位置する山形県高畠町。シャルドネとデラウェア の出荷量は全国一位を誇ります。
高畠ワイナリーでは、海外の有名なワイナリーと肩を並べるべく、長期目線で100年構想を掲げ日々高品質なワイン造りに励んでいます。
今回おすすめするのはシャルドネを使ったスパークリングワインです。国内のワインコンクールでも何度も受賞した実績のあるスパークリングワインです。
柑橘系のフレッシュな香りに白い花のニュアンス、キメの細かな気泡、豊かな酸も感じられ飲み口はクリーミーです。コストパフォーマンスの高いスパークリングワインです。
タケダワイナリー シャトー タケダ シャルドネ 2018
タケダワイナリーは山形県上山市にあります。寒暖差が大きく、降雨量も400㍉〜800㍉と山形盆地の恵まれた気候から品質の高い葡萄が育ちます。
タケダワイナリーでは欧州系の品種(カベルネソーヴィニヨンやシャルドネなど)の栽培にいち早く着手しましたが、日本の土壌がこの欧州系の品種にあまり適さなかった為、20年かけて土壌を改良した強者です。
今回おすすめするのはシャルドネで造られたシャトータケダという白ワインです。自社畑のぶどうが最高の品質になった年のみ「シャトータケダ」を名乗ります。
手摘みで収穫され、フレンチオーク樽で熟成し、凝縮された旨味を持つ白ワインに仕上がっています。ポテンシャルも高く、これから熟成させることで更に進化していく白ワインです。
おすすめの日本ワイン:大分県
安心院葡萄酒工房 安心院スパークリング
安心院葡萄酒工房は大分県宇佐市安心院町にあります。初めてだと読めないと思いますが、安心院は「あじむ」と読みます。安心院葡萄酒工房は霧深い盆地にあり、昼夜の寒暖差が大きくぶどうの栽培に適しています。
今回おすすめするのはシャルドネを100%使用した安心院スパークリングです。2016年に開かれた日露首脳会談の乾杯に出されたり、海外のワイン品評会で金賞を受賞するなど、国内外で評価され実績のあるワインです。
安心院スパークリングワインは国内でも珍しい瓶内二次発酵で製造されています。
グレープフルーツの様な柑橘系の香りに、酵母由来のふくよかなトースト香がし、ワインの複雑味を際立たせています。すっきりとした酸にクリーミーな泡、高級感を感じさせる人気のスパークリングワインです。
おすすめの日本ワインまとめ
今回は私がおすすめする日本ワインを紹介しました。同じ日本で造られるワインですが、ワインが醸し出す表情は様々です。
土壌にこだわったり、自然なワイン造りにこだわったり、生産者の色んな想いがこもっている事が分かってもらえたでしょう。
今回紹介できなかったけれども、美味しい日本ワインは他にもたくさんあります。日本ワインを選ぶのに困ったら下の記事も参考にしてください。