アルパカワインはコンビニやスーパーで見かけますが、安すぎると思った事はありませんか?その値段が故に、もしかしたらまずいのではないかと思っている人もいるかもしれません。
ワインがボトルで600円代となると確かに不安になる気持ちも分かります。
この記事では、アルパカワインがまずいという噂は本当なのかをソムリエが本気で検証しています。アルパカワインを飲んでみようか迷っている方は参考になると思いますのでぜひ最後まで読んでみてください。
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目次
アルパカワインは安くてまずいのか?
先に結論から言うと、アルパカワインは安くて美味しいです。ただ安すぎる為か、まずいという噂が独り歩きしているように思います。
高いワイン=美味しい、安いワイン=まずいという先入観があるのではないかという印象です。
アルパカワインはチリのワインですが、チリはワイン用のブドウを栽培する環境に適しています。その為、世界中から有名な作り手さん達がチリでワイン造りを始め、美味しいワインを造る為の知識や技術が集まってきています。
チリは世界的にみても引けを取らないワインをたくさん造っていますので、安く飲めるのはコストパフォーマンスも高くありがたい事ですね。
アルパカワインはなぜ安いのか?
美味しいのならなぜこんなに安いのか疑問ですよね。アルパカワインの安さの秘訣はチリで生産されているからです。アルパカワインをはじめチリワインが安い理由は3つあります。
- 人件費が安い
- 歴史がまだ浅い
- 輸入にかかる関税が0%
人件費が安い
チリは発展途上国な為、先進国に比べて人件費が安いです。コストを抑えてワインを生産できるのでワインの値段を安価に抑えることが出来ます。
歴史がまだ浅い
ワインの価値を決める要因の一つに「ワイン造りの歴史」があります。チリワインの歴史は、フランスやイタリアなど欧州に比べてまだ日が浅いです。
美味しくても歴史がまだ浅い分、べらぼうに高い値段がつくという事がありません。
輸入にかかる関税が0%
日本はチリとEPA協定を結んでいるので、2019年4月からはワインの輸入にかかる税金は0%になっています。輸入に税金がかからない分、同じぐらいのランクのワインよりも安く抑える事ができます。
アルパカワインをまずいと言う人の意見
私の意見としてはアルパカワインは美味しいと思いますが、中にはまずいという意見もあります。その要因を解説したいと思います。
アルパカワインはとても濃厚で果実の凝縮感を感じるワインです。簡単に言うと、味が濃いワインです。繊細なワインを好む人にとっては少しパンチが強すぎる為、人によってはまずいと表現する事はあります。
しかし、現時点でアルパカワインに対しての悪い評価や口コミはごく少数ですので、美味しく飲めてる方が多数でしょう。
食べ物の好みが違うように、ワインの好みも人それぞれ違いますので、まずいという意見は気にする必要ないと思います。
アルパカワインは何種類あるのか?
アルパカワインは、オーガニックやスパークリング、プレミアムを含めると全部で14種類あります。
- カベルネ・メルロー
- ピノノワール
- シラー
- カルメネール
- シャルドネ・セミヨン
- ソーヴィニヨンブラン
- ロゼ
- スパークリング・ブリュット
- スパークリング・ロゼ
- オーガニック・ホワイト
- オーガニック・レッド
- プレミアム・カベルネソーヴィニヨン
- プレミアム・ピノノワール
- プレミアム・シャルドネ
全体的に果実感を強く感じるワインです。品種による個性も出ていますので飲み比べをすると非常に楽しめます。
安くて美味しくて、品種の個性が学べますので、これからワインを勉強したいと思っている人にもオススメです。
次はアルパカワインを飲んだ印象をうんちくを入れながらまとめてみましたので参考にしてみてください。
アルパカワイン検証してみた
アルパカ・カベルネ・メルロー
赤ワインのブドウ品種「カベルネソーヴィニヨン」と「メルロー」で造られた赤ワインです。この二つのブドウ品種は赤ワインでよくブレンドされる組み合わせです。
カベルネソーヴィニヨンについてはコチラで解説記事も書いていますので興味がある方はぜひご覧ください♪
果実感が強いが、酸味もしっかりある為飲み易い印象です。赤黒い色合いの果実を思わせる果実味があります。渋みはやや強めですね。
渋みがあるのであっさりした食べ物よりは少しトロっとしたおつまみの方が良いです。
鶏モモの照り焼きとか、ソース焼きそばとか、日常の食事に合わせやすくハウスワインとして活躍しますね。
アルパカ・ピノノワール
赤ワインのブドウ品種「ピノノワール」で造られた赤ワインです。ピノノワールで造ったワインはよくエレガントという表現が使われます。
色合いは綺麗なルビー色です。酸味は程よく、よく熟した赤いベリー系のニュアンスが感じられます。
ガッツリ系の料理というよりは、前菜の肉料理全般と相性が良さそうです。
ソーセージとか、ハムとか良さそうですね。ローストビーフがあれば最高です。
アルパカ・シラー
赤ワインのブドウ品種「シラー」で造られた赤ワインです。シラーで造ったワインはよくスパイシーという表現が使われます。
色合いはシラーにしては少し淡い印象です。黒いベリー系の果実味を感じます。酸味は少し強めで若い果実のような感じです。
胡椒の様なスパイシーな香りがして、シラーらしいですね。これは焼肉やステーキと合わせていただきたいですね。
アルパカ・カルメネール
赤ワインのブドウ品種「カルメネール」で造られた赤ワインです。カルメネールという品種はあまり聞きなじみが無いと思いますが、チリではよく栽培されている個性的な品種です。
色合いはガーネット、凝縮した果実味だけでなく少し苦みを感じます。香りは胡椒の香りと少し青っぽさが混じっていてスパイシー。苦みや青っぽさがワインを引き締めている印象です。
これも焼き肉やステーキと合わせたいですね。シラーと比較しながら合わせたらより面白いと思います。
アルパカ・シャルドネ・セミヨン
白ワインのブドウ品種「シャルドネ」と「セミヨン」で造られた白ワインです。
シャルドネは世界で一番有名な白ワインの品種です。セミヨンはあまり聞きなれない方も多いかと思いますが、実は甘口の貴腐ワインの品種として有名です。
色合いはレモンイエロー、トロピカルフルーツの様な豊かな果実感、少しはちみつの様な香りがします。多分セミヨン由来だと思います。
クリームコロッケ、フライドポテト、チーズを使った料理、てんぷら等と合わせたいですね。日常の食事と合わせやすい白ワインだと思います。
アルパカ・ソーヴィニヨンブラン
白ワインのブドウ品種「ソーヴィニヨンブラン」で造られた白ワインです。ソーヴィニヨンブランはハーブの香りといった表現がよく使われます。
色合いはややグリーンがかった淡いレモンイエロー、レモンの様なフレッシュな酸味、グレープフルーツとハーブの様な香りがします。
キンキンに冷やしても美味しいですね。夏にグイッと飲みたいです。
カルパッチョや塩で食べるタイプの白身魚の刺身など前菜とは好相性。から揚げやホッケの一枚焼きなどレモンを絞るタイプの肉魚も相性が良いです。
サンタ・ヘレナ・アルパカ・ソーヴィニヨン・ブラン 750ml
アルパカ・ロゼ
赤ワインのブドウ品種「カベルネソーヴィニヨン」「メルロー」「シラー」で造られたロゼワインです。
ロゼワインは日本だとあまり馴染みがなく、桜の時期にちょこっと登場する程度ですが、フランスでは3本に1本はロゼワインを飲んでいるほど、当たり前のように消費されています。
色合いは綺麗なピンク色、イチゴの様な赤いベリー系の香り、酸味はしっかりしています。キンキンに冷やしても美味しいです。
和の家庭料理全般に好相性です。ロゼワインは白ワインと赤ワインのいい部分を持っているので合わせられる料理の幅が広いのが特徴です。
アルパカ・プレミアムワインは特におすすめ
アルパカはプレミアムワインを「カベルネソーヴィニヨン」「ピノノワール」「シャルドネ」の3品種で出しています。
通常のアルパカワインに比べてプレミアムワインは、果実の凝縮感が増していて香りもより強くなっています。プレミアムワインがより美味しくなっている理由は2点あります。
- 葡萄の木を剪定する
- 収穫を遅らせる
ブドウを剪定する
剪定とは、木の枝の一部を切り落とすことです。プレミアムワイン用の葡萄は、木を剪定して実るブドウをの数を減らしています。
実る葡萄を減らすことで、他の葡萄に栄養が分散しない為一つ一つの葡萄の凝縮度が高まります。当然実る葡萄が少ないので、出来上がるワインも少なくなり高価になります。
収穫を遅らせる
収穫を遅らせることで、葡萄は日光に長く当たり完熟します。完熟した葡萄を使う事で通常のアルパカワインよりも凝縮感の強いワインに仕上がります。
ちょっといいことがあった日や自分へのご褒美に、手軽にリッチな気分を味合わせてくれるワインです。
サンタ・ヘレナ・アルパカ・プレミアム カベルネ・ソーヴィニヨン 750ml
サンタ・ヘレナ・アルパカ・プレミアム ピノ・ノワール 750ml
サンタ・ヘレナ・アルパカ・プレミアム シャルドネ 750ml
アルパカワインを美味しく飲むための知識
ワインを飲むときに、場所や季候などそのワインの背景を知っているとよりワインが美味しく感じられます。ここからはアルパカワインを美味しく飲むための知識をお話します。
温度管理
白ワインなら8~12℃、赤ワインなら14~18℃くらいが最適です。ワインの香りは温度によって変わるので、温度が高すぎたり低すぎたりするとそのワインが持っている香りが楽しめない事があります。
とは言え、飲み方は好みの部分もありますので、この温度じゃないといけないという事はありません。むしろ温度管理が気になりすぎてワインが楽しめなくなったら本末転倒です。
白ワインは冷やし気味で、赤ワインは少し常温に戻してくらいの気持ちでいいでしょう。冷やし気味で飲んで、温度変化で香りがどう変わっていくのかを楽しむのもいいですね。
チリの季候
アルパカワインが作られているのはチリのコルチャグア・ヴァレーです。雨は冬に降り春から秋まで長い乾期が続きます。また、暑い時の気温は30℃になり夜間は涼しくなる為一日の寒暖差が激しい過酷な環境です。
ワインの葡萄は過酷な環境の方が美味しいくなると言われています。乾燥した環境が葡萄を凝縮させ、寒暖差が葡萄に甘みや酸味を与えます。
夜間に収穫
白ワイン用の葡萄の旨み成分や香りの成分は夜間に凝縮され、気温の上昇と共に失われていきます。
夜間から早朝にかけて収穫することで、最高のコンディションの葡萄でワインを造ることができます。
あんなに安いアルパカワインですが、美味しいのには理由があり、そこに妥協は一切ありません。
別の記事でチリワインの特徴や他国との違いを細かく説明していますので、こちらも参考にしてみてください。
アルパカワインはまずいのか?まとめ
アルパカワインは安くてまずいのか?という噂を検証してみました。内容を簡単にまとめてみます。
アルパカワインは安くて美味しいコストパフォーマンスの高いワインです。
- 人件費が安い
- 歴史がまだ浅い
- 輸入にかかる関税が0%
ワインを造る過程でかかるコストが低い為、日本では安く購入する事ができます。
- 葡萄にとって過酷な環境
- 夜間の収穫
葡萄を育てているコルチャグア・ヴァレーは乾燥していて1日の寒暖差が激しい土地です。この過酷な環境が葡萄に凝縮感を与え、美味しいワインになります。
また、葡萄の美味しさを保つために夜間に収穫を行うというこだわりがアルパカワインの美味しさに繋がっています。
安いのにワインを造る為のこだわりや努力に一切妥協はありません。美味しいワインがこんなに安く飲めるありがたみを感じます。