白ワインを飲んでみたけれど、どれも美味しく感じてしまう。美味しい白ワインの条件って何なの?そんな風に悩んだ事はありませんか?
ワインの解説を見ても、香りの欄には馴染みのないフルーツが書かれていて、難しいと感じるのは無理もありません。ワインによっては石灰や火打石など美味しさをイメージするのには程遠い表現も見かけます。
この記事を読むことで、美味しいワインの条件を知ることができ、今よりもワインのある生活を楽しむことが出来るようになります。
初心者の方でも理解ができるように分かり易く説明いたしますのでぜひ参考にしてください。
目次
美味しい白ワインの条件とは?
万国共通の美味しい白ワインの条件は存在しません。なぜなら、美味しさの基準は人それぞれ違うからです。好みの食べ物や飲み物が違うように白ワインの好みも人それぞれです。
しかし、あなたにとって美味しい白ワインの条件はあります。それは、あなたが美味しいと感じるかどうかです。
今は、どの白ワインも美味しく感じるかもしれませんが、舌が肥えてくると自分の好みが狭まっていきます。
自分はフランスのロワールで造られた白ワインが好きとか、ソーヴィニヨンブランという品種が好きとか、新しい自分の好みを見つける作業はとても楽しいですよ。
美味しい白ワインの探し方
美味しい白ワインを探そうと思っても、まだ知識が少ないあなたにとっては、白ワインの種類が多過ぎてどれを選んだらよいか分からないと思います。
ワインに限らずたくさんの中から一番好きなものを選び出すのは至難の業です。なので、美味しい白ワインを選ぶときは条件を一部だけ変えて2択に絞りましょう。
例えば、シャルドネという品種とソーヴィニヨンブランという品種の白ワインを比べる時はどちらもフランスにするなど、比較したい条件だけを変えて飲み比べすると好みを探りやすいです。
ワインの探し方は以前ご紹介しましたのでそちらを参考にしてみてください。
美味しい白ワインを造る品種
ここからは美味しい白ワインを知る上で、必ず知っておきたい2品種を紹介します。
- シャルドネ
- ソーヴィニヨンブラン
シャルドネ
白ワインの品種では世界で一番人気のある品種です。この品種の特徴は、産地の季候や醸造方法によって出来上がるワインが大きく変化する為、生産者のこだわりがワインに表現されやすい事です。
冷涼な地域ではライムやレモンの様な香りがして酸味が強くなります。温暖な地域ではリンゴやパインの様なトロピカルな香りがして酸味は控えめになります。
樽で熟成させたものはバニラやトーストの様な香りがします。意外かもしれませんが、この香りがワインを更に魅力的にします。
シャルドネを楽しむなら、ぜひ色んな世界のものを楽しんでみてください。どれも違った個性が楽しめますよ。
ソヴィニヨンブラン
シャルドネの次に人気のある品種です。この品種の特徴は、なんといってもグリーンノートですね。ハーブの様な爽やかな香りがします。
冷涼な地域ではグレープフルーツの様な香りがして、温暖な地域ではパッションフルーツの様なトロピカルな香りがします。
香りが特徴的なので、好きな人は飲むとすぐにソーヴィニヨンブランだと分かります。
ソーヴィニヨンブランを楽しむなら、フランスのロワール渓谷、ニュージーランドのマールボロ、チリのサンアントニオヴァレーの3つは飲んでみてください。
美味しい白ワインができる季候風土と醸造方法
ここからは美味しい白ワインができる条件をご紹介します。あなたの好みに近いものを探してみてください。
冷涼な気候
冷涼な気候では、レモン、ライム、グレープルーツなど酸っぱい系のフルーツの香りがして、味わいは酸味が強くなります。
また、アルコール度数も低くなり、軽めで飲み易いフレッシュな白ワインができます。
温暖な気候
温暖な気候では、リンゴ、パイナップル、マンゴー、パッションフルーツなどトロピカルフルーツの香りが強くなり、酸味は弱くなります。
アルコール度数は高くなり、トロっとして飲みごたえのある白ワインができます。
石灰質土壌
土壌は色んな種類がありますが、石灰質は特に知っておきたい土壌です。
石灰質でできた白ワインは、ミネラルが豊富になりキリっとしたワインになります。香りでは、火打石やチョークの香りと例えられます。
樽熟成
樽熟成をすることで、白ワインの味や香りをより複雑にしてくれます。
樽熟成をすると、バニラやトースト、キャラメルの香りがする白ワインになります。
美味しい白ワインを造る産地
美味しい白ワインを造ることで有名な産地をご紹介します。白ワインを飲む際の参考にしてください。
フランス・ロワール渓谷
フランスのロワール川沿いに横に広く点在する広大なワイン産地です。4つの地域に分類され、各地域で季候と土壌成分が違う為個性豊かなワインが出来ます。
その中でも、トゥーレーヌ地区とサントルニヴェルネ地区のソーヴィニヨンブランは最高です。ぜひ一度飲んでみてください。
フランス・ブルゴーニュ
世界でも有名な産地の一つです。ブルゴーニュの中でもシャブリ地区で造られた白ワインはドライでキリっとした味わいになります。
同じブルゴーニュでもマコネ地区の白ワインは酸味が柔らかく果実味が豊かなワインになり、味わいも変わりますのでぜひ飲み比べしてほしい白ワインの産地です。
アメリカ・カリフォルニア州
太平洋から吹く冷たい風の影響で意外と冷涼な産地です。しかし、日照量は豊富な為ぶどうが良く熟し、トロピカルフルーツのアロマを感じる事ができます。
ブルゴーニュのシャルドネと比較をすると違いが分かって非常に楽しむことが出来ますよ。
ニュージーランド・マールボロ
日照量がとても多い産地です。昼夜の寒暖差が大きいので、果実味と酸味が豊かなワインが出来ます。
マールボロで造られるソーヴィニヨンブランがとても有名で、国際的にも評価が高いワインを造っています。
チリ・サンアントニオヴァレー
ニュージーランド同様に日照量が豊富で、海から吹くフンボルト海流の影響で冷涼な地域です。ここので造られるソーヴィニヨンブランも有名です。
品種の個性であるフレッシュハーブの香りとミネラル感が特徴です。マールボロのソーヴィニヨンブランと飲み比べると面白いですよ。
美味しい白ワインの香り:フルーツ
白ワインで使われる香りの表現は、実はほとんど決まっている。ここからはよく使われる表現とその特徴をご紹介します。
冷涼な気候で造られてワインは酸っぱい柑橘系の香り、温暖な気候ではトロピカルフルーツなど甘いフルーツの香りがすると覚えると理解しやすいです。
柑橘系の香り
レモンやライムなど酸っぱい柑橘系の香りが書かれていた場合、その白ワインは冷涼な気候で造られた可能性が高いです。
トロピカルフルーツ
パイナップルやマンゴーなどトロピカルフルーツの香りが書かれていた場合、その白ワインは日照量が豊富な気候でぶどうが良く熟す地域です。
リンゴ
白ワインではよく感じ取る事が出来る。個人的には甘みと酸味のバランスが良い白ワインから特に感じますね。若いワインになると青りんごの香りがすることもあります。
グレープフルーツとパッションフルーツ
この二つの香りはソーヴィニヨンブランから良く感じる事ができます。
冷涼な場所で造られたソーヴィニヨンブランはグレープフルーツの香り、温暖なになるとパッションフルーツの香りがします。
ライチ
今回白ワインの品種で紹介しませんでしたが、ライチの香りは「ゲヴェルツトラミネール」という品種の白ワインでほぼ必ず表現されます。
この様にワインには、この香り=この品種という方程式の様なものもあります。これを覚えるとワインがまた楽しくなりますよ。
美味しい白ワインの香り:花
アカシアとスイカズラ
聞いた事はあっても香りを嗅いだことはあまりないですよね。どちらも白ワインで使われる花の香りです。
この二つの花の香りは、冷涼な気候で造った白ワインでよく表現されます。
菩提樹
こちらも聞いた事はあるけどパッと香りをイメージできる人は少ないのではないでしょうか。
菩提樹の香りは今回紹介しなかった「リースリング」の香りとしてよく表現されます。
草
草と言われるとあまり美味しそうなイメージが湧かないと思いますが、これも白ワインではよく使われます。
「グリーンノート」とも言われていて、爽やかな青っぽい香りを表します。フレッシュハーブとも例えられます。代表的な品種はソーヴィニヨンブランです。
美味しい白ワインの香り:その他
バニラ
白ワインを樽で熟成すると、樽の香りが移りバニラの様な香りになる事があります。
樽熟成をした時の表現は色々あって、トーストやキャラメル、コーヒーなど、どんな樽を使うかによって表現が変わってきます。
樽の香りは色んな白ワインで感じますが、特にシャルドネとの相性が良いので、よく樽で熟成されます。
海の香り
海岸沿いで造られた白ワインや、大昔に海だった場所で造られた白ワインから海藻の様な磯の香りがすることがあります。
これは品種の特性ではなく、土壌由来の香りですね。専門用語では「テロワール」なんて言ったりします。
ぶどうは栄養を根っこから吸い上げます。土壌の成分がぶどうに反映されることでこの様な磯の香りがするのです。
石灰
これも土壌由来の香りです。土壌が石灰質の場合によく表現されます。ミネラル感があるとかミネラリーなんて言われ方もします。
他にも火打石という表現もあります。ブルゴーニュのシャブリで造られた白ワインはミネラル感を特に感じるワインで有名です。
白ワインをもっと美味しくするおつまみ
ここからは、白ワインをもっと美味しくするおつまみをご紹介します。
ワインはそれだけを楽しむのも良いですが、食事と合わせることで美味さが倍増します。
今回は元ソムリエシェフだった私がなるべく日常の食事にどう合わせるかを考えていきます。
サラダ
サラダと合わせる場合の白ワインは、かけるドレッシングで変えていくと良いでしょう。ドレッシングの味わいがさっぱり系なのか濃厚なのかで変えていきます。
青じそドレッシングなどさっぱりしたサラダにはフレッシュな白ワイン、シーザードレッシングの様な濃厚なドレッシングにはややしっかり目な白ワインがいいですね。
ただ、サラダ自体はさっぱりした食事なので、白ワインが重すぎるとサラダが負けてしまいます。
フレッシュハーブの香りがするソーヴィニヨンブランは、サラダの青っぽさと合わせたら面白いですね。
から揚げ
から揚げはレモンを絞って食べると美味しいですよね。なので柑橘系の香りのするフレッシュな白ワインと合わせると良いです。
お肉=赤ワインのイメージがある方もいると思いますが、白身肉の場合は、調理方法にもよりますが白ワインとも全然合わせられます。
アジの開き
これもレモンを絞る事が多いですので、柑橘系のフレッシュな白ワインと合わせたいですね。海岸沿いで造られた海の香りがする白ワインも良さそうですね。
クリームコロッケ
あっさり系の白ワインよりはややしっかり目の白ワインの方が良いですね。好みにもよりますが、香りがフルーティー過ぎるとちょっと邪魔になるかなと思います。
ホワイトシチュー
濃厚な白ワインとあわせたいですね。チーズをかける場合は、そのチーズによって味わいを変えても良いと思います。
フレッシュすぎるとホワイトシチューの濃さで、ワインが消されてしまいますので濃厚な白ワインの方が良いでしょう。
日常の食事全般
食事によって色んなワインの合わせ方がありますが、日常の食事って前菜からメインまで色んなものがあるので、合わせるワインを決めるのは難しいですよね。
そういう場合は、フレッシュ過ぎず、濃厚過ぎず、バランスのとれた中庸な白ワインを選びましょう。
あなたのお気に入りの白ワインを見つけたら日常の食事が今よりもっと楽しくなりますよ。
美味しい白ワインまとめ
今回は美味しい白ワインの条件についてお話しました。内容をまとめてみます。
美味しい白ワインの条件はあなたが美味しいと思うかどうかです。美味しいと思う白ワインがあったら自分の中のNo1を見つけましょう。
白ワインは、品種、季候風土、醸造の仕方、産地で大きく変わります。あなたが好きな白ワインはどんな特徴があるか記事の内容を参考に探してみてください。
ワインは食事と合わせると美味しさが倍増します。日常の食事で合わせる事はバランスのとれた白ワインがおすすめです。